中古複合機を導入する際、どれだけの期間は使い続けられるかをよく考える必要があります。
購入価格が安いのは中古複合機のメリットですが、新品を購入した方が長期的には安上がりになるという場合も少なくありません。
中古複合機の耐用年数についてまず理解しておきましょう。
そして、その観点からどのような現場で中古複合機を導入するメリットが大きいのかを考えてみると、新品と中古のどちらを選んだ方が良いのかを判断できるようになります。
目次
1.中古複合機の耐用年数から考える注意点
中古複合機が新品と異なるのは導入する以前にどこかのオフィスで使用されていたかどうかです。複合機の法定耐用年数は5年と定められていますが、実際の耐用年数は現場での利用状況によって大きく左右されます。
印刷をするほど劣化は進行しやすくなるからです。一般的な複合機は300万枚程度が寿命とされているため、中古で購入したときには購入以前にどの程度使用されていたかによって大きく耐用年数が異なります。
厳密に管理されてカウンター保守契約で使用されていた複合機であれば、中古で購入するときにどの程度までなら印刷できるかを判断することが可能です。使用されてきた年数についてもメーカーが保守してきた場合には記録が残っていて、購入時に調べてもらえることもあります。
しかし、一般的には購入して使ってみないとどの程度の耐用年数があるかは予測しづらいのが中古複合機の特徴です。中古複合機を購入してから印刷できるのが30万枚程度というのが平均的な数値として知られています。
法定耐用年数から外挿して考えると、5年の10分の1しか耐用年数がないことになり、半年で使えなくなってしまう可能性があるとわかるでしょう。実際には丁寧にメンテナンスされて使われてきた複合機や、現場に導入されていただけであまり印刷に使ってこなかった複合機も流通しています。
そのような複合機を手に入れられれば数年間は使用できる可能性があるので、よく販売店と相談して十分に耐用年数がある複合機を探し出すことが重要です。
また、事業用に使用する上では減価償却についても考えておくことが大切です。複合機は減価償却資産として認められていますが、中古で購入したときには使用期間がどの程度あったかによって何年間減価償却ができるかが異なります。
既に5年以上使用されている複合機の場合には法定耐用年数の20%に相当する年数になるため、1年間で減価償却をすることが可能です。それ以下の期間しか使用されていなかった場合、経過年数分だけを20%に圧縮した期間が減価償却期間になります。
3年間使用された複合機の場合には残されている耐用年数である2年に、3年の20%である0.6年を加えた2.6年と計算されますが、端数は切り捨てになるので2年間で減価償却をするのがルールです。
2.どのような現場に向いているか
耐用年数が短いという観点から考えると、中古複合機を導入するのに向いている現場がいくつかのパターンに分類できます。まず、仮のオフィスを作ってとりあえず使える複合機を導入したいというときには最適です。
半年から一年程度でオフィスを移転する予定になっている場合には購入費用を最小限に抑えることができ、オフィスを移転するときには廃棄してしまえば良いのでコストパフォーマンスが高いでしょう。別のパターンとしてほとんど印刷をしないオフィスでの運用にも中古複合機が優れています。
ペーパーレス化を進めていてほとんど印刷はしないというときには、実質的には耐用年数が長くなるからです。小規模オフィスやSOHOなどで印刷枚数が少なめというときにも良い選択肢でしょう。複合機は中古でもスキャナーやFAX、ストレージなどとして利用することができ、印刷に比べると本体の劣化による故障が少ないので長期的に活用できます。
また、もう一つのパターンとして壊れたら買い替えるという形で運用をしたい現場が挙げられます。新品の10分の1程度の値段で購入できる中古複合機も多く、耐用年数が短いために頻繁に入れ替えなければならないだけでコストパフォーマンスが極めて低いというわけではありません。購入費用を分散させることができるため、一時的に百万円以上もの大きな出費が生じてしまうのが辛い現場では安い中古複合機を使うのが合理的です。
3.中古複合機の耐用年数についてのまとめ
中古複合機は既に何年も使用されてきたものがほとんどなので耐用年数はあまり長くはありません。使用状況についても明確ではないものが多く、通常は30万枚程度の印刷ができれば良い方です。
大量に印刷する現場には適していませんが、小規模オフィスで印刷以外の機能を使うのを重視したいというときには優れています。消耗品の供給についても考慮して、いつまで使い続けるかを考えた上で購入する複合機を決めるようにしましょう。